労働時間コンサルティング

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きちんと労働時間管理していますか?
従業員の実労働時間を管理する義務があります。

労働基準監督署によるランダムな事業所調査、退職した従業員が駆け込み、それに基づいて行われる事業所調査等、理由は何であれ労働基準監督署が、事業所に立入調査を行った経験は、皆様の会社でも1度や2度はあるでしょう。一番最初に調査対象になるのは、何だと思いますか?

それは「事業主が全ての従業員の実際の労働時間を適正に管理しているか?」ということです。

当然といえば、当然ですが・・・

従業員の労働時間を適正に管理できていない=適正な時間外手当を支給していない。長時間労働した場合の社員の健康状態について関与しない。

と、公言している会社とみなされます。社会的信用性のみならず、社員からもずっと働きたい会社と思ってもらえないでしょう。

ですので、まずきちんと時間管理された出勤簿(タイムカードなら尚良い)、それにきちんと連動した賃金台帳(時間外労働○○時間等、所定労働時間と所定外労働時間をはっきり区別してある)

で適正な労働時間を管理するということが重要なポイントになります。

労働時間管理における注意点

1.「労働時間」を正しく認識してください。

労働時間とは、休憩時間を除いた実働時間をさし、休憩時間をも含めた拘束時間と異なる。また、実働時間とは、労働者が現実に労働に従事している時間だけでなく、労働者の労働力が何らかの形で使用者の指揮命令下におかれている時間をいい、したがって、いわゆる手待ち時間(たとえば、販売店の従業員が買い物客のくるのを店内で待っている時間等)は、労働時間に含まれます。

2.残業や休日出勤は会社の許可制にするとよいでしょう

本来、残業や休日出勤は、会社の業務命令に基づき行なうものです。
従業員からの不当な残業代請求などを避ける意味でも、残業や休日出勤については、その必要時間も含めて、その都度「会社の許可制」にすべきです。
また、所定の勤務時間を過ぎて会社に居残っている従業員に対して残業を認めないのであれば、その従業員に対して明確に帰宅命令をしなければなりません。 それをせずに居残りを黙認することは残業の必要性を会社が暗に認めたことになりますので、従業員がタイムカードのコピーを監督署に持ち込んだ場合、遡及して支払い命令がでても文句はいえません。

3.残業や休日出勤をさせる場合は36協定を必ず届出ましょう。

従業員に対して時間外勤務(残業)や休日勤務をさせる為には、労働基準法で定められた手続きを行なう必要が有ります。

残業により1日8時間を超える労働をさせる場合、又は1週40時間を超える労働をさせる場合は、「時間外労働の労使協定」を締結して労働基準監督署に届出する法的義務が生じます。
また、休日出勤により4週間に4日の休日が確保出来なくなる場合は、「休日労働の労使協定」を締結して労働基準監督署に届出する法的義務が生じます。

※常時使用する従業員数が10人未満の商業・保健衛生業・接客娯楽業などの事業所は、1週の法定労働時間が44時間となります。

※特別条項付きの「時間外労働・休日労働の労使協定」を締結すれば、現行法上、1年の半分は従業員に残業させることが出来る時間が延長できます。

4.深夜勤務をさせる場合は、管理職に気を付けてください。

深夜勤務とは、午後10時から午前5時までに労働することをいいます。従業員に対して深夜勤務をさせる場合、その従業員が18歳未満でない限り、何ら法定手続きは必要有りません。
但し、管理職(部長・課長等)についても、深夜勤務を行なった時間だけは会社が管理する必要があります。
(これは、管理職従業員は残業や休日出勤の法的制約は受けませんが、深夜勤務に対する割増賃金だけはその適用を受けるためです。)
また、小学校入学前の子供を養育する者、要介護状態の家族を介護する者、妊娠中の女性、産後1年が経過しない女性から「深夜勤務は止めて欲しい」と要求された場合、その者に深夜勤務をさせることはできません。

5.変形労働時間制、みなし労働時間制をうまく活用しましょう

中小企業の残業時間削減対策として「1年単位の変形労働時間制」の導入が有効な場合が多いのですが、全ての場合に有効な解決策となるものではありません。
その事業所の勤務形態によっては、「1ヶ月単位の変形労働時間制」を導入した方が良いケースも有りますし、コアタイムのみ強制の「フレックスタイム労働時間制」を導入した方が良いケースもあります。

※「1年単位の変形労働時間制」は、導入する為には労使協定締結(=労使合意)が必要で、1日10時間、1週52時間という所定労働時間の制限がありますが、「1ヶ月単位の変形労働時間制」は就業規則の定めだけで導入が可能で、変形期間中は1日及び1週の所定労働時間の制限が有りません。